そのまま、家に入り、いつものように荷物を部屋に置く。 それから、母の写真を見て、ただいまと言って。 軽く髪の毛を整え、リビングへ向かおうとした時だった。 チリン…… チリン……… (また、猫?) しかし、やけにその音がいつもよりも大きく聞こえる。 一旦引き返し、猫を探した。 そして…… 部屋の窓を開けると、そこにはやはり、一匹の白猫。 「ねぇ、時空移動の方法知ってるの?」 雅がそう聞いた途端、猫の目が、少し揺れた。 その途端──。 雅は、意識を手放した。