桜廻る





「……似合うな、その髪」


「あ……ありがとうございます」





照れくさそうに、雅は笑った。


その後……二人は美容院に向かい、雅の髪は肩まで短くなった。





「夏だし、短い方がいいですよね」


「……髪が短い女は初めて見たがな」





笑いながら、土方はそう言う。


そこで、雅はふと思った疑問を口にした。





「そういえば……体育館倉庫の場所、よく分かりましたね?」


「あぁ。実は、な」





土方は、倉庫に来るまでの経緯を、話し出した。


家にいる時、いきなりチャイムが三度以上連続で鳴り……。


ドアを開けたら、汗をぐっしょりかいた一人の男子がいたそうだ。