桜廻る





「は……⁉何でよ、意味分かんない!どうしてよ⁉」




杏奈の叫び声が、倉庫に響いた。


雅は思わず、その女子を追いかけた。





「あ……あのっ」





声をかけると、ゆっくりとこちらを振り返る。


……気まずそうな表情だった。





「桜川さん……。今さら、許してもらえないかもしれないけど、今までごめん」





その言葉に、雅は驚いて目を見開いた。


でも、すぐに言葉を探して、口を開く。





「今まで辛かったけど……私の気持ち、分かってくれてありがとう」





そう言うと、その子はまた少し笑って、その場を後にした。


雅は再び倉庫に戻る。


杏奈は……今にも泣きそうな顔をしていた。