桜廻る





これが、本物の武士……。


やはり平成の者とは、格が違うのだ。


ただただ、この光景に、見入っていた。


そして、あっという間に、残り一人となっていた。





「どうする。やるか?」





土方は、その男に歩み寄る。


男は、怯えたような表情で……体育倉庫から出ていく。





「それで?お前らはどうすんだ?」





土方は、杏奈と、隅で固まっている女子達に近付いた。


その瞬間──。


杏奈に向かって、土方は竹刀を振りあげる。





「や、やめて!」





杏奈は思わず悲鳴を上げた。