雅は思わず杏奈を睨む。 「ほんと、あんたってバカね。逃げても無駄よ」 「離して!」 「うっさいわね!」 杏奈はキレ気味に、雅の腕を引っ張る。 「やめて!」 また、最初の位置に戻ってしまう。 「私もう、何があっても泣かない!強くなるって決めたの!……だから、負けない。あなたにも、自分にも……っ」 息を乱しながら、必死に自分の思いを伝える。 その時だった。 ──ガラッ! 大きな音を立てながら、体育倉庫のドアが開く。 中にいた者全員が、振り返った。