桜廻る





今日は、久し振りの学校……


といっても、夏休みが終わったわけではない。


雅は学校に呼び出されたのだ。


相手は……上本杏奈。





(夏休みなのに、わざわざ学校に呼び出すなんて。しかも、体育館倉庫……何されるかは大体分かる……)





暑い日差しの下、雅は学校に向かう。


しかし、そんなに面倒だとは思わなかった。


チャンスが来たのだ。


……杏奈に言い返す、チャンス。


雅の言う、“山”を乗り越える時が──。





「……桜川?」


「あ、永瀬君……」





校門をくぐると、部活の休憩中なのか、永瀬が汗を拭っていた。