桜廻る





《──青軍、まさかのバトンミス!ここで先頭を走るのは、青軍に代わって赤軍と黄軍!緑軍も迫ってきます!青軍、頑張って下さい!》



(嘘……!)





雅は急いで、落ちたバトンを拾った。


真っ直ぐ前だけを見て走り出す。





「青軍ファイトー!がんばーっ!」





そんな歓声の中に、





「雅ー!走れーっ!」





土方の声も混じっていた。





「諦めんなー!桜川ー!」





だんだん、永瀬が近付いてくる。


必死に腕を伸ばし……無事に、バトンを繋いだ。





「永瀬君、頑張って!」


「任せとけ!」





永瀬は、バトンを握りしめ、綺麗なフォームで走り出した。