「上本さん!」 雅は、杏奈を追いかける。 足の速い杏奈にようやくたどり着くと、乱れた息を整えた。 「あの、私、永瀬君にはリレーの練習に付き合ってもらってただけなの!だ、だから!」 「黙れ!あんた鈍いから、私の気持ちなんか分かるわけないじゃない!」 「でも!本当に、永瀬君には親切にしてもらっただけで……。そんな好きとかよく分からないし、何もないから!」 必死にそう訴えると、杏奈は何も言わず……雅に背を向けたまま、また走り出した。