桜廻る





「すみません、土方さん。すぐ戻ります」


「……あぁ」





走って追いかけると、杏奈は校舎の裏に立っていた。


やがて杏奈は、雅の姿を視界に捉え、きつく睨む。





(何だろう……。なんか、悪いことしたかな)





「桜川、あんたどういうつもり?」


「……え?」


「永瀬にもいい顔してさ、ちょっと優しくされたくらいで……」





腕をくんで、杏奈は話を続ける。





「でも私、何もしてな……」


「惚けんな!」





ドンッと押され、雅はその場に倒れた。


膝が軽くすりむけて、血が滲む。





「リレーで永瀬と一緒になって、ちょっと優しくされて……。それで何?あいつがあんたに惚れたとでも思ってるわけ?バカじゃないの?」


「そ、そんな事……」