――…ドクン 綾が恐れていたことが 本当に起こってしまった 拓斗の荷物があるから 家に寄るのではないかと―― “それだけは…嫌だ”と 胸が詰まる思いでいた 綾… 『う…うん。わかった――』 しかし 結局は こうなってしまった 胸の中に 嫌な気持ちが膨らんでゆく 気持ち悪い―― 「じゃー、行きますか」 そんなこともお構いなしに 拓斗は自転車を漕ぎ始める カラカラカラカラ…―― 音を立てながら進む自転車 そして―― 「重…」 『うるさいっ!』 もう1つ 恋の歯車が 音をたてていた――