「あー疲れた」


「目ぱんぱんだね、太一」


「うるさいっ」


その後ろからついてきたのは、まりあの弟の太一と、その彼女……ではなく、奥さんになった清良。


そう、今日の主役はこの二人だった。


太一は『新郎のあいさつ』と『新郎の父のあいさつ』で盛大に泣いてしまい、まぶたがぽんぽんに腫れていた。


「キレイやったで、清良」


「そ?ありがとう。

オーリィも相変わらず、モテまくってたわね。

私の友達みーんな、あんたと瑛を見てたわよ」


清良が笑うと、瑛が立ち上がった。


そう、これから一行は、『六花の翼同窓会』なるものを開催する予定だ。


主催はまりあで、せっかくオーランドがはるばる日本まで来てくれるのだから、と今は瑛と住んでいるマンションに招待してくれたのだ。


太一も清良も、そしてオーランド自身もその近くにホテルを取っているのだから、そこに集まればいいじゃないかと言ったのだけど、まりあは得意の手料理を振舞うのだと言ってゆずらなかった。


そんなまりあも、瑛との婚約が決まったばかり。


(10年前と同じや)


また僕だけ、ひとりぼっちかいな。


友人たちとの再会は嬉しいが、オーランドはひそかにため息をついた。