紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~



「オーランド……苦しいでしょうけど、力を貸して」


コートニーは熱くなった胸に、にぎった彼の手を当てる。


自分の少ない魔力が、どんどん放出されていき、倦怠感が体中につきまとう。


きっとオーランドの悪魔の力も、同じ。


呼吸が、少しずつ弱くなっていく。


でも大丈夫。もし私が力尽きても、ここには大勢の白魔法師がいる。


「キス、してくれたら、ええで……」


オーランドはかすかに目元を細くし、答える。


バカね。こんなときにまで。


そう思うけど、コートニーは素直に、触れるだけのキスをしてやった。


もう、お別れかもしれないもの……こんなことでよければ、受け取って。


「ありがとう、オーランド……」


さっきの質問には答えられない。


きっと奇跡が起こせたら、その代償にとられるのは……私のすべてだもの。


私は、それだけのことをやろうとしている。


詳しくは、ドラゴンに聞いてみないとわからないけどね。




ありがとう。


あなたに逢えて、良かった。


生きるのが、つらかった。


希望も、夢も、なにもなかったの。


でも、そんな大嫌いだった、争いと因縁にまみれたこの世界が、少しだけど好きになれた。


あなたが、キレイだったから。


キレイなものを、たくさん、たくさん、私に見せてくれたから……。


あなたが、私を孤独から救ってくれたのよ。


だから私は……この世界を、守る。