紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~



コートニーは、右手にペンタグラムを、左手にオーランドの手をにぎりしめる。


そして、つい先日訪れたアフィントン・ホワイトホースに思いを馳せた。


あそこで白く塗りつぶされたのは、先祖の悪龍の血。


どうか、父なるドラゴンよ。

地獄の淵から舞い戻り、私に力を与えたまえ……!


「でもその場合、代償はどうする?」


はっと目を開く。


すると、オーランドが心配そうにこちらを見ていた。


あなた、力尽きて寝ていなかったっけ?

そう問おうとしたコートニーに、魔の手が伸びる。


「ペンタグラムを渡せ、プリンセス!」


カートだ。その美しい顔をまるで悪魔のようにゆがめ、彼は杖を振る。

防御をしている余裕はない。


そんなコートニーの前に立ったのは、白魔法師たちだった。

彼らはカートの攻撃を、それぞれの魔法で防いだ。

「早く……なんとかしなさいよ!」


そう言ったのは、アリス。

まさか、どうして?

「プリンセス、早く」

フェイまで。

「頼む、魔法を……そしてオーランドを、助けてくれ」


アーロン……初めて、本物のお兄さんみたいな目をしてる。


「あいつを止められるのは、キミのそのペンタグラムだけ。

頼む、この世界を救ってくれ」


がくっ。


ランスロットおじさん……私の力じゃなくて、ペンタグラムの力を信じてるのね。


まあ、いいわ。

白魔法師に懇願されるのは、意外に悪い気分じゃない。