紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~



「バカね……っ。あなたは本当に、バカよ……っ!」


ねえ、オーランド。


こんなときまでキレイでいなくていいのよ。


私の幸せが、あなたの幸せ?


だから、自分は放っておいて、カートを倒して自由になれって?


オーランドは笑いながら、時々苦痛に顔をゆがめる。


その様子を見て、コートニーはいつの間にか泣いていた。


このひとは、いったい今までどれだけ傷ついてきたんだろう。


それでも、笑って生きてきたんだ。


もう、いいよ。


もう、無理に笑わなくていいよ。


「ありがとう……よくがんばったわね。

あとは私に任せて……」


コートニーが額にキスをすると、オーランドは微笑んでまぶたを閉じる。


そうして体を休めているようだった。


「カート……あなたがどうしても復讐したい気持ち、今初めてわかったわ……」


彼の方を振り向き、にらむ。


コートニーは自分の体の中の血が沸騰していくような感覚を覚えていた。


「大事なものを奪われるのは、悲しいわ。

もう誰にも、そんな思いはさせない!」


カートが口を開く前に、コートニーは近くに倒れていたナンシーのもとへ走る。


そして彼女の傍らに落ちていたペンタグラムを、拾った。