紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~



「オーランド……っ!」


何度目かの呼びかけで、やっと彼はまぶたを開いた。


その瞳は、穏やかなスカイブルー。


「コートニー……あかん、やられてもうた」


ごめん、とオーランドは言い損なう。


そののどからごぼりと、血が吐き出された。


「大丈夫よ、今治癒魔法を……っ」


悪魔の契約呪文は、まだ消えていない。


まだ、力は使えるはずだ。


集中しかけたコートニーに、オーランドは呼びかける。


「コートニー、僕はええから」


「えっ?」


「僕より先に、カートをなんとかせんと……」


もう、悪魔の力が残り少ないことがわかるのだろう。


「でも」


「頼むわ、コートニー……」


オーランドの下の地面が、血で濡れていく。


どうして?


このままじゃ、あなたは……。


「な。僕はええから、キミは、キミを守ることだけ、考えてくれ……」


「何言ってるのよ!そんなことできるわけない!」


「頼むわ……。

なあ、コートニー。

僕の幸せはな、キミの幸せなんや……」


切れ切れに伝えられる、オーランドの気持ちが、胸を痛いほどしめつける。


そして……彼はなぜか、こんなときまで微笑んでいた。