紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~



「……もう、許さない……!」


いつもは甘美に響く声が、震えていた。


カートが黒豹と共に、こちらに向かってくる。


悪魔は3体の巨人をさばくのに手いっぱいだ。



「オーランド!カートが来るわ!」


コートニーは彼に向かって叫ぶ。


すると……


「うるさいっ!」


カートは直接、コートニーに黒いいかづちを放つ。


「きゃあああっ!」


防御魔法も間に合わず、彼女はナンシーの近くまで吹き飛ばされた。


「踏みつぶしてやれ!」


カートの声は、完全に冷静さを失っていた。


命令された黒豹が、巨人やオーランドたちをひらりと飛び越え、コートニーの目前に着地した。


そしてまだ残っている爪で、コートニーを狙う。


「……防御せよっ!」


コートニーは必至で防御魔法を起こし、その巨大な爪を受け止める。


こんなの、いつまでもつんだろう?


なんとも頼りない自分の力にがっかりしながら、それでもそうするしかないコートニーは、両足を地にめり込ませながら、耐えた。


その様子を見ていたのか、金髪の悪魔は巨人の一体を倒し、もう一体と衝突させた。


それらが地に沈むまでに、残りの一体を放り、コートニーの方へ向かってくる。


「ぐわああああ!」


主人に手を出すなと言わんばかりに叫んだ悪魔は、黒豹に向かい、オーラを放とうとした。