紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~



ぐっと、コートニーの腕をつかむ力が強まる。


上を見上げれば、巨人たちが口を開けていた。


その中に、赤い炎がちらちらと見えた。


──彼女は、本気だ。


カートの復讐を完成させるために、邪魔な私とオーランドを消そうとしている。


なんとかしなければと思った時には、もう遅かった。


「……!」


頭上で炎が巻き上がり、熱風が頬を焼く。


思わず目を閉じたとき……。


ふっと、腕の痛みがなくなった。


「ナンシー!」


カートの声がして、目を開ける。


すると、黄金の波が揺れる。


それは金髪の悪魔。


彼はオーラを放ち、それで襲ってくる火炎を防いでいた。


「オーランド……!」


急いでその場に防御魔法を起こす。


視線を遠くにやれば、そこに倒れているナンシーを発見した。


「助けてくれたのね?」


彼に殴られたのかどうしたのか、目をつぶっていたからわからなかったけど……たぶん大丈夫だろう。


人間は巻き込むなと、教えたから。


悪魔はコートニーの質問には答えず、巨人に向かっていく。


黄金の髪を翻し、マゼンタの瞳で彼らの間を駆け抜ける。


巨人たちは悪魔を狙い、めちゃくちゃに動き回り、火炎を吐き散らす。


それはお互いを傷つけあうだけで、標的は無傷なままだった。