紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~



コートニーは次第にイライラしてきた。


自分を傷つけた相手に仕返しをするのが常識だというのなら、私はあなたに倍返ししてやりたいことがたくさんあるわよ。


誰だって、自分の正義のために気づかずに他人を傷つけているかもしれない。


そのことに気づきもしないで、ううん、気づいていても復讐に全力を傾けるの?


そんなの、ナンセンス極まりない。


「……少なくとも、僕の気は少しは晴れるよ」


そう。つまりは復讐なんて、そんなものでしかないんだ。


「それなら、私が1対1で相手をしよう」


突然後ろから声がした。


ランスロットだ。


「お前が憎んでいる白魔法師のトップは私だ。

私と戦え。他の者は巻き込むな」


低い声が響く。


カートは彼を見下ろし、薄く笑った。


「いい度胸じゃないか」


カートの足元で、魔法陣が光る。


寄り添った黒豹が、形を変えていく。


まさか、巨人に加えて黒豹も前みたいに巨大化させるつもり?


コートニーは頭痛がしてきた。


これじゃ、怪獣映画じゃない。


「ダメよ、おじさん。

彼はあなたのかなう相手じゃないわ」


コートニーは頭を押さえながら、ランスロットを止める。