紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~



ランスロットは攻撃も忘れ、そちらを茫然と見つめる。


「さすが、プリンセス。

あんな上級な悪魔を、屈服させちゃうなんて、驚いた……」


カートは微笑むが、奥歯をぎり、と噛んだ。


引き倒した巨人の上に、悪魔は長い金髪を翻し、舞い上がる。


そのぽかりと開いた口の中に黄金のオーラを打ち込もうと思うのか、あごの上に彼は着地した。


しかし、巨人の腕は抵抗する。


意外に素早い動作で悪魔の足をつまむと、そのまま黒い空にかかげた。


「オーランドっ!」


巨人は背を地につけたまま、悪魔を同じように叩き付ける。


──ドガッ!


燃えた地はえぐれ、土煙が視界を奪う。


「……っ!」


コートニーは無我夢中で、その頭上に金色の魔法陣を呼び出す。


「移動せよ!」


彼女の大きな高い声が響くと、そこに倒されたはずの悪魔が現れた。


悪魔は口の片端だけを上げてにやりと笑い、上空に留まったまま、両腕で黄金のオーラを、立ち上がりかけた巨人
に打ち込む。


頭の上で起こった爆発をよけられず、巨人は頭蓋骨をえぐられ、ひざからゆっくりと崩れ落ちた。


これで、敵はカートとナンシーをのぞけば、あと3体。


着地した悪魔は、コートニーを守るように、彼女の前に立った。