しかし、彼はすぐにコートニーを離す。
そして、町の方へ火炎を吐き散らしながら歩いていく巨人たちを振り返った。
「…………」
そして、悪魔は笑った。
大きな獲物がたくさんいるのを、喜ぶように。
「オーランド……」
気をつけて、なんて声をかける暇もなかった。
悪魔は地を蹴ると、風のような速さで巨人たちを追いかけていく。
それは駆けているというよりも、飛んでいると言った方が正しいくらい。
コートニーは必死で、そのあとを追いかけていく。
途中、必死で火を消すアリスが、恐怖をにじませた瞳でオーランドの背中を見ているのが見えた。
「うぉあああああっ!」
人間の言葉ではない叫びに、巨人とカートを倒そうと戦っていた白魔法師たちが、驚いて振り向く。
そんな彼らを完全に無視し、悪魔は大きな獲物だけを狙う。
地を蹴り、高く飛び上がったかと思うと、巨人の肩に飛び乗り、その首筋に鋭い牙を突き立てた。
「ぎゃあああああああ」
低く鈍い巨人の悲鳴が響く。
悪魔は目で笑いながら、その腐った肉を噛みちぎる。
赤より黒に近い体液が、悪魔の体を染めた。
べっ、とそれを吐き出した悪魔は、体液が流れ続ける傷口に、黄金の光をまとったこぶしを叩き付ける。



