紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~



いつの間にか。


人を本気で好きになることも、本当の自分を好きになってもらうことも、どこかであきらめていた。


だから、深入りされると本当はめんどくさいんじゃなくて、怖かった。


信用しても、きっと本当の自分を知ったら離れていくくせに。


だから、上辺だけのつきあいしかしてこなかった。


そんな自分が少し変わったのは、まりあと瑛に会ってから。


傷を負いながらも、一途に思いあう二人の姿に感動し、絶望もした。


ああ、僕にはこんな奇跡は起こらないのだろうと。


きっと、心がキレイな二人だから、神様がビッグなプレゼントをくれたのだろうと。


猜疑心と、あきらめと、寂しさと。


そんなものに支配されている自分は、いつまでたってもこの檻からぬけだすことはできないのだろうと。


でも、そんな僕の前に、キミが現れた。


素直でわがままなのに、甘えるのは不得意なキミ。


────キミが好きだ。


自分でも嫌いな本当の僕を愛してくれる、キミが……。


(頼む。たったひとつの願いだけは、かなえてくれ。

彼女の笑顔をこれ以上、奪わんといてくれ!)