いつの間にか。
人を本気で好きになることも、本当の自分を好きになってもらうことも、どこかであきらめていた。
だから、深入りされると本当はめんどくさいんじゃなくて、怖かった。
信用しても、きっと本当の自分を知ったら離れていくくせに。
だから、上辺だけのつきあいしかしてこなかった。
そんな自分が少し変わったのは、まりあと瑛に会ってから。
傷を負いながらも、一途に思いあう二人の姿に感動し、絶望もした。
ああ、僕にはこんな奇跡は起こらないのだろうと。
きっと、心がキレイな二人だから、神様がビッグなプレゼントをくれたのだろうと。
猜疑心と、あきらめと、寂しさと。
そんなものに支配されている自分は、いつまでたってもこの檻からぬけだすことはできないのだろうと。
でも、そんな僕の前に、キミが現れた。
素直でわがままなのに、甘えるのは不得意なキミ。
────キミが好きだ。
自分でも嫌いな本当の僕を愛してくれる、キミが……。
(頼む。たったひとつの願いだけは、かなえてくれ。
彼女の笑顔をこれ以上、奪わんといてくれ!)



