紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~



あくまでも、敵は白魔法師というわけか。
よっぽど恨みを買っているらしい。


それにしても、あの上から目線はどうにかならないのだろうか。


「どんな呪術を行おうとしているかは知らないが、見逃すわけにはいかない!」


背後で、低く大きな声が響いた。
ランスロットだ。


白魔法師たちはいっせいに、巨石群が作る結界を破ろうと、魔法を放つ。


一緒に飲み込まれそうになったオーランドたちは、慌てて身を引いた。


「……無駄なことを」


カートは冷たく笑うと、彼らを相手にせず、魔法陣の中心に戻った。


ナンシーが彼に、杖を渡す。


魔法陣の中には、赤黒い球体がいくつか、ふわふわと浮かんでいる。


「あれ、あかんやつちゃうか?」


直感でそう思う。


あの球体はヤバい。


「私も何かはわからない。でも、とても嫌な感じがするわ」


「しゃあない……結界を破るしかないか!」


白魔法師たちとは別の方向へと、オーランドたちは走り出す。


右腕に力をため、コートニーがそれを取り込んで使う。


そうして彼女に魔力を与えつつ、オーランド自身も結界に殴りかかった。


しかし透明の壁は、びくともしない。


「みんな、待たせたね」


カートの声がする。


それは聞いたこともないくらい、優しげだった気がした。