紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~



「カートさんよ、もうやめにせんか」


オーランドはゆっくりと、ストーンヘンジに近づいていく。


コートニーはその腕につかまり、一緒に歩みを進める。


「あんたも、色々なものを犠牲にしてきたんやな」


オーランドの呼びかけに、カートが振り向く。


「やけど、失ったものたちのために白魔法師に復讐するっていうんか?

そしたら、あの白魔法師たちの子孫があんたに復讐しにくるで。

その繰り返しや。

そんな負のスパイラルに、何の意味があんねん」


カートの眉が、かすかに歪む。


この声は、届いているのだろうか?


オーランドは半信半疑で彼の出方をうかがう。


「意味……ねえ。意味なんか、ない。

でも僕は、このままじゃ気が済まないんだ」


……やっぱりこの手の悪役には、説得は通じないか。


オーランドは肩を落とす。


きっとカートにはカートの戦う理由があって、それを他人である自分が取り除くことはできない。


そんな簡単なものなら、そもそもこんな事態になっていないはずだ。


「プリンセス・コートニー。どうしても、僕のところには来てくれないんだね?」


わざと寂しそうな顔をするなんて、ずるいイケメンだ。


「いかないわ」


自分につかまるコートニーの肩に、優しく手を回す。


「そう……わかった。君たちは敵じゃない。見逃してあげるから、おとなしく見ているんだよ。

キメラくんだけは、あとでお仕置きをしてあげる。

僕の体を傷つけた罰だ」