紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~



「さあ、おいで。

僕たちの王国の復興を見せてあげよう」


手を差し伸べるが、もちろんコートニーはオーランドのそばから離れない。


「カート、私は王国の復興なんて望んでいないわ。

今更そんなことをしてどうなるの?

私たちの先祖の国民が、帰ってくるわけじゃないのに」


コートニーの発言を、白魔法師たちは驚いた顔で聞いていた。


彼らは初めて、このお姫様が敵ではないようだと気づく。


「もちろん、失ったものたちは帰ってこない。

いくら望んでもね」


そう言ったカートの表情に、少しの寂しさが通り過ぎたように、オーランドは感じた。


「でも、だからこそ、彼らのために何ができるかを考えたんだ。

白魔法師に無残に滅ぼされた、彼らのために」


「カート……」


「あのペンタグラムは素晴らしいよ、プリンセス。

あれは僕に、素晴らしい力を与えてくれた」


カートがストーンヘンジの中心を振り返る。


がらあきになった背中に、すかさず弾丸を撃ち込んだのはランスロット。


しかしそれは、カートに届かずに、落ちた。


円状の巨石たちが、中心にある魔法陣のために見えない壁を作っているようだった。


だからカートは、あそこから出てこない。


そしてストーンヘンジは、黒魔法師の力を強める作用もしているようだった。


もともとは儀式や祭礼を行う場所だったのよ、とコートニーがつぶやく。