紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~



「騎士団か。来ると思ったわ」


オーランドの目の前で、何人かの白魔法師が次々に現れる。


ランスロットに、数名の部下。
アリスとフェイがいる。


火あぶりにされかけたコートニーは、彼らをにらみながらオーランドの後ろに隠れた。


「オーランド!」


アリスとフェイがこちらに気づき、驚きの声を上げる。


それに気づき、カートがこちらに顔を向けた。


「何をしにきた、悪魔の息子よ」


ランスロットがオーランドに問う。


僕の親は一応人間なんやけどなあ。そこに兄ちゃんもおるやんか。


そうは思ったが、話が長くなるので黙っておいた。


「なにって、あいつを止めるために決まってるやんか」


「……本当か?」


黒魔法師のプリンセスと、悪魔と人間のキメラ。


普通なら、カートの味方になると思われても不思議はないけれど。


「信用ないなあ。ま、自業自得やし仕方ないか」


カートが、動く。


今はこちらで小競り合いをしている場合じゃない。


オーランドも騎士団側も、彼の出方を見守った。


カートは優雅に、草原を歩いてくる。


空は雲が垂れ込め、相変わらず雷鳴が鳴り響いていた。


誰もが身構えるが、カートは巨石群から出る一歩手前で立ち止まる。


「やあ、プリンセス。遠足は楽しかったかい?」


カートは鷹揚に微笑み、コートニーに声をかけた。


まるで彼女が自分のもとに来ることを、当然だと思っているようだった。