紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~



         *          


コートニーの魔法陣から二人が出てきたとき、彼らの前には野原が広がっていた。


「ストーンヘンジ……」


「この前のホワイトホースといい、観光名所が好きなやつらやなあ」


オーランドの言う通り。


彼らの視線の先には、環状の溝と土手で囲まれた広場に、馬蹄形に組み立てられた巨石群があった。


ストーンヘンジ。有名な観光名所だ。
イギリス南部のソールズベリー郊外にある。


およそ5000年前に造られたのだろうと言われているそれは、誰がなんの目的で造ったのかというところまでは、明らかにされていない。


オーランドの身長をゆうに超える巨石が同心円状に配置されている。


その中心に、カートとナンシーがいた。


「観光名所なだけじゃないわ。

ここは、ずっと昔、私たちの先祖がドラゴンを崇拝していた頃に造ったのよ」


コートニーの言葉に、古代のドラゴンが目の前によみがえる錯覚を覚える。


王であるドラゴン。崇拝する黒魔法師の先祖たち。


「そうか、ここは彼らの王国を復興する地にふさわしいってことやな」


オーランドが一歩踏み出そうとする。


カートはまだこちらに気づいていない。


そのとき、オーランドたちの前に巨大な魔法陣が現れた。


見覚えのあるそれは、まさに……。