「あたしも連れていって」


「は?あかんよ。ここで待って……」


「私に逆らうのっ?」


コートニーは高い声で、怒鳴る。


「いい、あなたは私の守護悪魔になったのよ。

離れないって約束したんだから、勝手に行っちゃダメ。

私も連れていきなさい」


んなアホな。


大した力もないのに、あの恐ろしいカートの近くに行こうなどと、よく思えるものだ。


下手したら、連れ去られるかもしれないのに。


自分には、カートと戦う理由がある。

コートニーにもう手出しはさせないようにぎゃふんと言わさなければならないし、友達を傷つけられたのだから。


しかし、コートニーはそんな理由を聞いてくれそうもない。


「約束やし、しゃあないか」


オーランドはあきらめ、コートニーの腰を引き寄せる。


その体を抱きしめると、自分の中の悪魔の力を発動させるよう、集中した。


「コートニー、移動魔法や」


彼女はうなずき、オーランドの悪魔の力を利用し、魔法陣を出現させた。


なんの練習も訓練もしたことのないことだが、なぜかすんなりとうまくいく。


「行くわよ!」


水色の光が二人を包み、バルコニーへと移動させる。


白魔法師たちは、その様子を口を開けて、ただ見ていた。