体中を突き刺されるような痛みをこらえ、目を開ける。
そこには、同じように痛みをかみ殺す父がいて、その足首に、黒い渦が巻きついていた。
あかん、それを代償にとられるんや。
そんなんあかん。
お母ちゃんが、泣いてまう。
僕だって嫌や。
力なんかいらん。
お父ちゃんが元気でないと、嫌や!!
『お父ちゃん……っ』
『オーランド、見るな……っ!!』
とうとう耐え切れなくなり、父が絶叫する。
膝から出た血は、黒い渦に飲み込まれる。
あかん。
お父ちゃんの足が、持っていかれる。
『あかんって、嫌やって、言うてるやろうが……っ』
『オーランド……!?』



