天使の歌


「…………。」

セティは黙り込む。

それを見て、ディリーは鼻で笑う。

「だって あんた、普通じゃないし。化け物だもんね。」

「っ!!」

目を見開いたセティを見て、ディリーは ぱあっと笑った。

「嘘々。ちょっと からかっただけよ。」

「…………。」

セティは一発 彼女を殴ってやろうかと、ベッドから起き上がり。

「っ!?」

そのまま、ばたりと倒れた。

「……な…だ、これ……。」

躰の中の、神霊(みたま)が吸われるような感覚。

(……動、けない……。)

胸を押さえて喘ぐと、此方を見つめる琥珀の瞳と、目が合う。

「なぁに、また暴走?怖いから止めてよね。」

(……こ、いつ……っ。)

セティは苦しさに目を瞑る。

彼女が――ディリーが、何かを したのだ。

今迄こんな状態に なった事は無かった。

「……く……はっ……あぁ……。」

口から血が溢れ出る。

悪魔の血の暴走とは違った苦しさに、セティは顔を歪めた。

「…………。」

ディリーは微かに笑いながらセティを見つめる。

「……っ……。」

セティはディリーを攻撃しようとし――もう1度 吐血すると、意識を手放した。