天使の歌


「……何が言いたいんですか。」

「べっつに〜?」

ぶすっとした顔で睨むセティを見て、ディリーは益々 面白そうに笑う。

「……感謝は している。だが、何故 俺が寝ている間に、“悪魔狩り”の連中の所へ、連れて行かなかった?」

「やだな〜、あたし そんなに怪しい?キュティちゃんが可愛いから、そうしなかっただけ。別に深い意味なんて無いわ。」

敬語を止め、鋭い瞳で睨んで来るセティに、ディリーは余裕の笑みで答える。

「…………。」

セティは暫くディリーを見つめて後。

再びベッドに横に なった。

「まだ辛いの?」

ディリーの質問を無視し、セティは顔迄 掛け布団を引き上げた。

「天使と悪魔。両方の力が在ると、反発するの?やっぱり、2種は共存 出来ない訳?」

質問しながら、ディリーはセティの布団を掴む。

「!」

セティは慌てて布団を握り締めたが、ディリーの方が一瞬 早く、掛け布団を剥ぎ取った。

「へえぇ、翼の色 違うんだ。」

「てめェ……見たいなら寝てる間に見れば良いだろ。見せもんじゃねェ。」

マントを羽織っていないセティの背中には、白と黒の翼。

右翼は、悪魔の象徴である漆黒の翼。

左翼は、天使の象徴である純白の翼。

「見世物だなんて思ってないわよ。」

そう笑うディリーは、何処か馬鹿にしたような表情を浮かべていた。