天使の歌


翌日。

結局キュティは、セティに会う決心が付かず、彼を見ていてくれると言うディリーの言葉に甘え、商店街へ気晴らしに出掛けた。

キュティが出掛けて暫く経った時。

セティは目を覚ました。

「お、漸く お目覚めかい。」

ベッドの脇に椅子を置き、其処に座っていたディリーは、セティを見遣った。

セティは暫く ぼんやりと、見知らぬ女性を見つめて……はっと目を見開くと、がばっと跳び起きた。

「うっ……。」

其処で目眩を起こして、手を頭に充てる。

「急に動かない方が良いよ〜?あんなに血ィ吐いた後だし。」

その言葉で、セティは昨夜の事を思い出した。

「……貴方が、俺を止めて下さったんですか?」

「あれぇ?意外と丁寧な言葉遣いじゃない。悪魔との混血(ハーフ)だなんて言うから、もっと粗野な子かと思ってたのに。」

ディリーは面白そうにセティを見遣る。

「……キュティは?」

「無事だよ。今は町に出てる。」

その言葉を聞き、掛け布団を握り締めた手に視線を落として、セティは呟いた。

「……有り難うございます。」

「おやまぁ、お礼迄 言えるんだ。」

ディリーは益々にやけた笑みを浮かべる。