天使の歌


「良いの良いの、気にしないで。それより、男と女が同じ部屋に泊まっている訳?」

ディリーは明るく笑った後、直ぐに真顔に なった。

「え、はい。そうですけど……。」

「年頃なのに?」

その言葉に、キュティは耳迄 真っ赤に なった。

「だっ、だって、お金、あんまり無いですし……セティは そんな事しません!」

「どーだか。あんたが あんまりにも可愛過ぎるから、どうなるか解ったもんじゃないよ?」

可愛いと言われて、キュティの顔は益々 赤くなる。

取り敢えず、と呟いて、ディリーはキュティの肩を押して、回れ右を させた。

「今夜は あたしの部屋で寝な。」

「え、でも私、セティを――。」

言い掛けたキュティの口に、ディリーは長い人差し指を充てる。

「疲れた顔してる。……大丈夫、彼は あたしが時々 見に来るから。また暴走した時、あんたは離れてた方が良い。」

「……解りました。有り難うございます。」

キュティは渋々と言った感じで頷いたが、ディリーの言葉を受け入れてもいた。

それに、正直、セティが怖い。

一緒に居て、助け合って旅を して来たのに。

キュティは、殺され掛けたのだ。

(私、セティに どんな顔して会えば良いんだろう。)

キュティは心に、不安が降り積もって行くのを感じた。