天使の歌


「……セティ……セティは どうなるの?」

ディリーに抱き付いて、キュティは泣きじゃくる。

赤の他人である彼女に言うべきではないと解っては いたが、キュティは不安で仕方が無かった。

セティは、ずっと、悪魔の血の暴走と闘って来たのだろうか。

もし そうなら、あんなに苦しい想いを、し続けて来たのだろうか。

これからも、して行かなければ ならないのだろうか。

私は、どうすれば良いんだろうか。

不安で不安で仕方が無いキュティを、ディリーは益々 強く抱き締めてくれた。

「大丈夫よ。大丈夫。」

暫く泣いて。

キュティは漸く顔を上げて、ディリーを見つめた。

「……そう言えばディリーさん、どうして此処に?」

キュティの赤く腫れた目元を、長い指先で撫でながら、ディリーは微笑んだ。

「あたしも旅してっからさ、この宿に泊まった訳。そうしたら、隣から凄い音が したから。」

キュティ達の部屋の隣に、ディリーは泊まったようだった。

「それで、不審に思って覗いてみた訳。」

「そうだったんですか……。」

キュティはディリーから離れると、深く頭を下げた。

「助けて下さり、有り難うございました。」