「……シーク……?」

薄らと目を開けると。

熱で浮かされ、歪んだ視界に、艶やかな金髪が見えた。

「!!」

セティの声を聞いて、金髪の持ち主――キュティは、ばっと顔を上げた。

「セティ!……良かった。」

そう言って微笑む彼女の瞳から、涙が1粒 零れた。

「御免ね、一生懸命 手当てしたんだけど、私の神力、やっぱり弱くて……セティ、大分 熱 出てるから……もう、目を覚まさないかもって。」

「……悪い、心配掛けたな。」

元々 掠れていた声が、益々 掠れている。

「はい、お水。」

頭に手を添え、水筒を口に当てがってくれるキュティの笑顔は。

夢の中の、シークに似ていた。