セティから漂って来る血の匂いに、キュティは顔を顰めた。

「あのままだったら、お前は殺されてた!何で飛び出して来たんだ!!」

「……セティが戦ってたから。」

「勝てる戦いだった!!お前が乱入しなくても!!お前は、自分の身を危険に晒しただけじゃなく、俺にも迷惑を掛けた!!」

その言葉に、キュティの顔が強張った。

(……そうだ。)

元はと言えば、キュティが割って入らなければ、セティが傷付く事も、彼女が神力を使う事も、無かった筈だ。

「……ご、めんなさ……。」

自分が どれ程 迷惑な事を したか理解して、キュティが謝り掛けた その時。

「……っ……。」

セティの躰が、ぐらりと傾いた。