「そうか。」

橙の髪の男は、キュティ達に すっと手を伸ばした。

「なら、此処で お前を殺し、セティを連れて行く。」

「止めてくれっ!!」

吐血し、痛めた喉で、セティは叫んだ。

「殺さないでくれっ!!」

(……どうして?)

キュティの頭に疑念が浮かぶ。

(……どうして、そんな風に、護ってくれるの?)

自分の所為でキュティを傷付けてしまったと言う、罪悪感?

それとも――。

「誰が てめェの願いなんか訊くかよ!」

橙の髪の男の嘲笑で、キュティは我に返る。

そうだ。

そんな事を考えている場合じゃない。

「死ね!!」

橙の髪の男の手に、雷の神霊(みたま)が集まる。

その時。