「……え……。」
キュティが絶句すると。
紅夜は、嬉しそうに笑った。
「……やっぱり、キュティだ……。」
声変わりしていない高い声。
セティと同じように、少し掠れていて。
紅夜の笑顔と、セティの微笑みが、重なった。
「セティっ!!」
気が付くとキュティは、紅夜を抱き締めていた。
紅夜は、キュティを抱き締めてくれて。
「俺は、セティじゃないよ。」
はっきり、そう言った。
そして、キュティを見て、再び笑顔に なる。
「でもね、前世の記憶が在るんだ。セティとして生きた、記憶が。」
――会えて良かった、キュティ。
紅夜は そう言って、可愛い笑顔を浮かべた。
「キュティ、幸せそうで良かった。」
「幸せだよ……幸せだよ。貴方が私を生かしてくれたから……。」
ぽろぽろと零れる涙。
キュティのそれを拭いながら、紅夜は呟いた。
「こうして また、会えたんだからさ……次 生まれ変わる時も、きっと、会えるよね。」
キュティは その言葉に目を見開き。
「うんっ!」
満面の笑みで、頷いた。