天使の歌


目を覚ますと、木で出来た天井が見えた。

暫く ぼんやりと それを見つめ、キュティは がばっと起き上がった。

「…………。」

知らない場所に寝ていた事に気付き、キュティは眠る前の記憶を探った。

その時。

カチャッと音が して扉が開き、桜と樹が入って来た。

「キュティ、気分は どう?」

優しい声で尋ねる樹を見て、キュティは全てを思い出した。

必死に戦ったセティとスティ。

倒れたスティ。

血を吐いていたセティ。

彼は笑って――。

それから……。

――それから?

「セティは何処ですか!?」

キュティはベッドから飛び降りると、樹の服を掴んだ。

「…………。」

桜と樹は顔を見合わせて。

「説明するから、座って?」

桜はキュティを促して、ベッドに座らせた。

妹の両手を握り、桜は話し始めた。

「キュティちゃん、貴方はね、歌でセティ君に神霊(みたま)を送り込んだの。でもね、周りに存在していた神霊(みたま)だけじゃ足りなくて、貴方は、自分の躰の中に在る神霊(みたま)全てを、注ぎ込んでしまったの。」

桜は、哀しそうに目を伏せた。