天使の歌


「キュティちゃん!!」

「キュティ!!」

セティに抱かれていた妹が目を閉じて、意識を手放したのを見て、桜と樹は叫んだ。

しかしセティは、ぐったりとしているキュティの躰を抱き締めて。

2人の躰が僅かに光り。

その光が無くなった時、キュティは眠っているかのように穏やかな顔を していた。

セティは、半ば押し付けるように、キュティを桜に預ける。

「セティ、今、何を――。」

樹はセティの顔を見て、息を飲んだ。

焦点が定まっていない瞳。

がくがくと痙攣する躰。

ごぽっと口から血を溢れさせ、セティは笑った。

「……桜さん、樹さん。キュティを、人界へ。」

その声は、囁いているかのように酷く掠れていた。

「セティ……?何を言って……君も……一緒に……。」

其処迄 言って、樹は黙り込む。

力無く首を横に振ったセティの瞳から、更に血の涙が溢れた。

「……俺は もう……無理ですから……此処で……死なせて下さい……。」

ゆっくり、ゆっくり、囁いて。

「キュティを……お願いします。」

彼は、笑った。

とても、とても。

美しく。