天使の歌


雷と焔の神霊(みたま)によって焦土と化した森に、スティの躰が仰向けに倒れた。

彼は もう、息を していなかった。

「……終わった……の……?」

歌うのを止めたキュティは、強い眩暈に襲われて、倒れそうに なった。

それを辛うじて受け止めたのは、セティだった。

キュティを見つめるセティは、至る所から出血していた。

怪我だけではない。

口から、鼻から、耳から。

そして瞳から。

止まる事の無い鮮血が、後から後から流れ出ていた。

「……ティ……?私、どうし、たの……?」

「自分の躰に在った神霊(みたま)さえも、セティに送り込んだんだ。」

キュティとセティの元に歩み寄って来た樹が、口を開いた。

桜と樹の顔は、苦しんでいるかのように歪んでいる。

その顔が段々ぼやけて来て。

キュティは目を開けているのが、苦しくなって来た。

(……私……死んじゃうのかな……?)

自分を抱くセティが微笑んだのを見て。

キュティは意識を手放した。