キュティは更に、セティに力を与える。
――私が歌うから。
貴方の為に、歌うから。
だから お願い。
……死なないで……。
キュティから与えられる神霊(みたま)を最大限 力に変え、セティは兄と戦い続けた。
躰が、今迄にない程、苦しかった。
気が付くと、セティの瞳からは、涙が流れていた。
紅い、紅い――血の涙が。
それでも、セティは幸せだった。
――キュティと一緒に戦える。
今迄 独りで戦って来た。
でも今は、大好きな人が力を くれる。
――もう誰も、信じられないと思っていた。
裏切られて、傷付いて。
でも君は、こんな俺を愛してくれるんだね……。
君を護る。
例え、この命を、失う事に なっても――。
セティは遂に、スティと至近距離で向かい合った。
「……兄さん、御免ね……。」
辛い想いを しているのは、自分だけだと思っていた。
母を殺した貴方が、憎くて憎くて堪らなかった。
でも貴方は、1人の天使として、反逆者である母を殺したんだね。
胸を焼くような苦しみに、耐えながら。
――最後迄 自分勝手な弟を、許して下さい。
自らの左腕を、焔の神霊(みたま)を宿らせた剣(つるぎ)にし。
セティは兄の命を、奪った――。


