天使の歌


これが、最期の戦いに なる。

そう、確信した。

(最期に なるなら……。)

セティは拳を握り締める。

――焔の神霊(みたま)と共に、戦いたい。

初めて邪力を使ってから、神力を使うと、血を吐くように なった。

何故だか邪力は、セティの躰に、とても馴染んだ。

だから、ずっと ずっと、邪力に頼って生きて来た。

悪魔は穢れた存在。

天界で そう認識されている彼等と同じ力を使う事は――自分が穢れた存在であると、認めているような ものだった。

だから、最期は――。

セティは、痙攣する躰を必死に奮い立たせ、真っ直ぐに立ち。

左手に、焔の神霊(みたま)を集め始めた。

その瞬間、胸を締め付ける苦しみが悪化して。

セティの口から、血が溢れ出た。

最早、吐いているのではない。

勝手に、口から流れて行くのだ。

「セティ君!?」

異変に気付いた桜が叫んだが、セティは振り返らなかった。

身を起こしたスティは、そんなセティを見て、笑顔に なる。

「……死ぬ覚悟が出来たのか。良い顔を している。」

「……く……ああぁぁぁあ!!」

セティは絶叫すると、焔の神霊(みたま)で竜巻を創り出し、スティに放った。