天使の歌


「……ん……。」

「あ、セティ、お早。」

それから暫くして、セティが目を覚ますと、視界 一杯に綺麗な金髪が広がった。

「……キュティ。」

「気分は どう?」

(……ああ……そっか、俺、気持ち悪くて、寝たんだっけ……。)

ぼんやりする頭で先程の事を思い出して、セティは むくりと起き上がった。

心なしか、躰が軽い気がする。

「……ん。大丈夫。良くなった。」

そう笑ってみせると、キュティは良かった、と呟いて笑った。

その時。

「たっだいまぁ!」

明るい声と共に、町迄 買い物に行っていた樹が帰って来た。

「あ、お兄ちゃん、お帰りなさい。」

「お?お兄ちゃんか。そう言われると何だか照れ臭いな。」

嬉しそうに笑う樹を見て、桜は くすっと笑った。

「そうそう。セティ君に格好良い服 買って来たよー。」

「格好良い服って……。」

苦笑いするキュティを尻目に、樹は紙袋から1枚の長袖を取り出した。

明るいスカイブルーの長袖。

それを見て、キュティは ぽかんと してしまう。

今迄セティは、黒とか、グレーとか、暗い色の服しか着ていなかったから、樹の選択が珍しかったのだ。

セティの服装を見た事の無い樹には、仕方の無い事だろうが。