天使の歌


翌朝。

朝食を摂りながら、桜と樹に、もう少し天界に居たい事を、キュティは話した。

謝るキュティとセティに、桜と樹は穏やかに微笑んだ。

「居たいも何も、何処で生きるかなんて、本人が決める事だし。」

桜は そう言って、ゆっくり決めれば良いよ、と付け足した。

「でも……桜さん達、向こうでの生活が……。」

「大丈夫よ。今は これが、お仕事なんだから。」

それよりも、と桜はキュティに悪戯っぽく笑い掛けた。

「そろそろ、お姉ちゃん、お兄ちゃんって呼んでくれないかしら。」

「えっ?」

キュティは固まってしまった。

確かに桜の言う通り、2人はキュティの兄と姉なのだが。

甘える事を、キュティは躊躇っていた。

忌み子と呼ばれて来たキュティは、優しい彼等と親しくなっては いけない。

そんな気がして ならなかったのだ。

「ね、お願い。私、可愛い妹が欲しかったの!」

「か、可愛くないですよ。」

そう言いながらも、桜の「お願い」と言うポーズを見て、キュティは怖ず怖ずと口を開いた。

「お……お姉、ちゃん……。」

「きゃあぁ!可愛ー!」

桜は がばっとキュティに抱き付く。

「ちょっ、桜さ――お姉ちゃん!」

キュティは照れながらも、嬉しそうに笑った。