それでも、キュティは止めなかった。
私は貴方を こんなにも愛してるんだよ。
そんな想いを込めて、セティを抱き締める。
「……ティ……っとに……ヤバ、い……から……っ。」
(……え?)
閉じていた目を開けて、キュティは慌てて身を起こした。
彼女は僅かに息が上がっているだけなのに。
セティは肩で大きく息を しているし、耳迄 真っ赤だし、額には汗迄 浮かんでる。
「え……セティ?」
「うぅっ。……俺、キスなんて初めてなんだから、連続で やんなよ……。」
微かに開かれたセティの瞳には、薄らと涙が浮かんでいた。
「初めてって……え?しっ、シークさんとは?」
「無いよ。まだ、俺が子供だったし。」
顔の熱を覚まそうと、セティは手を ぱたぱたと振って、風を送った。
「……しっ、心臓が保たないから……どいて、くれ……。」
そんなセティを見て、キュティは ぷっと吹き出してしまった。
(いつも無表情で落ち着いていたのに、こうゆう事には弱いんだ。)
キュティもキスは初めてだったけれど、全然 平気だった。
勿論、どきどきは したけれど。
「じゃあ、抱き付くだけに する。」
悪戯っぽく笑って、セティの胸に頬を擦り寄せると、意外な事に、セティは抱き締めてくれた。
強い、強い、力で。


