「……そんなに、俺が歪に見えるか。」
口の端から血を流し、不敵に笑うセティを見て、スティは ぎょっとした。
セティの変化した姿に、漸く気が付いたのだった。
しかも、彼の周りに、邪悪な神霊(みたま)が集まって行く。
(……何だ?あいつは何を しようと している?)
警戒した、次の瞬間。
スティは、爆風に吹き飛ばされていた。
「ぐっ!!」
必死に受け身を取ろうと したスティの躰は、容赦無く10メートル程 離れた所に在った家の壁に、打ち付けられた。
ぼんやりと霞む頭に、他の天使達の悲鳴が聞こえた。
(……何、だ……?何が起こっている……?)
何かが焼けるような、煙の匂い。
喉が焼けるように痛んで、スティは咳き込んだ。
微かに目を開けてみたが、見えるのは土埃のみ。
しかし、数分も経たない内に、土埃は収まった。
「なっ……!」
目の前に広がる光景に、スティは息を飲んだ。
セティを中心に、円を描くように地面が抉られている。
その上に黒くなる迄 焼け焦げた、無数の天使の死体が転がっていた。
周りを見渡したが、その場で息を している者は、スティとセティだけだった。


