自身の血に まみれた、白銀の髪。
天使達を映す、紅い瞳。
尖った右耳。
裸に された上半身から生える、漆黒の右翼。
セティの全てが、幾人もの天使の目に、映っていた。
――怖い。
躰が震えるのを、セティは抑えられなかった。
そんなセティを見て、スティは鼻で笑う。
たった1人だけの肉親すら、セティの存在を、否定した。
――怖い。
セティは ぎゅっと瞼を閉じた。
都の住人 全てが、セティを否定している。
――怖い。
自分の躰すら抱けない、枷に繋がれた両手。
――怖い。
涙が溢れ出すのを、止められなかった。
――怖い。
セティの心を覆うのは、深い、深い、絶望。
彼は、確信した。
――世界の何処にも、俺の味方は居ない。
全てが、俺の敵で。
俺を迫害し、罵り、侮蔑し、蔑み。
俺の死を、望んでいる……。


