天使の歌


喉が枯れ、声を上げれなくなった頃。

セティを襲う激痛は、重い痛みへと変わった。

暴力が、止んだ。

誰かに髪を掴まれ、起こされ、身に纏っていた長袖を脱がされるのを感じた。

「連れて来い。」

直ぐ近くで聞こえる、スティの声。

直ぐに幾つかの足音が聞こえて、誰かがセティの腕を掴み、後ろで枷を付けた。

次いでセティの躰を無理矢理 立たせ、半ば引き摺るように歩かせる。

がっしりした腕。

恐らく、スティの部下の男なのだろう。

ぐったりとしたままのセティを、男は歩かせ続ける。

(……連れて行かれるのかな……処刑場に……。)

蹴られ、床に もろに打ち付けた頭は、霧が掛かったように ぼんやりとしていて。

(……もう……良い……。)

早く、殺してくれ。

そんな言葉だけが、ぽつんと浮かんだ。