天使の歌


「……ぐっ……あ……あああぁぁ!!」

セティの喉から絶叫が漏れる。

ディリーが強力な神力を送った所為か、セティの鼻と耳から、直ぐに血が流れ出た。

その時リエティーが、セティの背に生えた翼を掴み。

「がっ……ああぁ!!」

ぼきぼきと骨が折れる音と共に、肩甲骨から翼に掛けて激痛が走り、セティは悲鳴を上げた。

「きゃははははは!!」

狂ったように笑いながら、リエティーはセティの翼を折り続けた。

(……ああ……。)

今なら、死ねる気がする。

一方的に蹴られて。

神力で、躰の均衡を崩されて。

翼を、無残に折られて。

躰中が、痛くて痛くて、堪らない。

肺から溢れ出るのは、血の塊。

必死に何かを掴もうとする手は、自分の血で濡れた床を滑るだけ。

16年間、必死に生きて来て。

まだ俺は、傷付けられる。

躰も……心も。

キュティの為に、最期迄 抵抗しようと思っていたのに。

こんな苦痛を受けるなら。

死んでしまいたい――。