天使の歌


「…………。」

スティは黙って俺を見ていたが。

やがて、口を開いた。

「お前……神力と邪力が、反発してんのか?」

反発?

そうかも知れない。

躰の中で、何かが蠢いてる。

そんな感じが するんだ。

「……ごほっ……。」

俺は そのまま、地に倒れ込んだ。

苦しい、苦しい、苦しい。

「おいおい、どうすりゃ良いんだ これ。」

スティは ぼりぼりと頭を掻く。

「……あっ……がはっ……。」

血を吐きながら、段々 意識が薄れて行くのを感じる。

……駄目だ。

此処で気を失ってしまったら、スティに連れて行かれる。

生きなければ。

生きて、幸せに ならなければ。

死んだ父さんと、母さんの為に。

そう思うのに、躰は全く動いてくれない。

最後に見えたのは、血に濡れた、母さんの金髪だった。

俺は そのまま、暗闇に吸い込まれて行った。